maru labは<障害>や<福祉>といった枠組みを超え、他者との違いを認め合える豊かな社会づくりのための情報発信サイトです。


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2月1日(土)~2日(日)の2日間で、障がいのあるアーティストによるパフォーミングアーツ「フラグ -Lifemap」をFACTORY UNVELASHUで開催し、両日とも満員のお客様へご来場いただきました。

2004年より「(公財)福岡市文化芸術振興財団」(以下:FFAC)が「エイブル・アート事業」と名付け、社会の「芸術観」「福祉観」など、社会の既成の価値観を捉えなおすムーブメントに賛同し、全国でも先駆的に障がいのある人たちの表現作品を紹介する事業を行っていました。

そして、4期目となる2007年度より、地元福岡/九州の作家を紹介することに重点を置きたいということで、同じような志で活動を続けていた私たちが運営 する「NPO法人まる」(以下:maru)が事業委託を受け、企画名を「Lifemap(ライフマップ)」と変更して「一人ひとりの『地図』が少しだけ塗 りかえられる小さな変化」を促すムーブメントとしてさまざまな企画展を展開してきました。

「Lifemap」では、の「maru」や「FFAC」のスタッフ以外にも、美術、映像、グラフィック、舞踏などの分野で活躍する人たちとプロジェクト チームを構成し、企画しております。これまでの企画展を通じ、障がいのある人たちの「こだわり」や「日常」にスポットをあてた絵画、立体造形、詩、映像な どの作品を展示することで、作家紹介や 作品鑑賞のみならず、ギャラリートークやワークショップなど作家との出会いの場として、来場者一人ひとりの価値観に訴え、さまざまな差異と向き合う自発的 な行動を促すきっかけを提供することができました。

しかし、社会へ価値の創造を提示することは徐々に展開できたのですが、企画展を続けていく中で「障がいのある人の存在を社会にもっと示したい」という気持ちがプロジェクトチームに表れ、「Lifemap」7回目となる今回はパフォーミングアーツで作品を紹介するということに決定し、プロジェクトチームも新 たに舞踏家や振付家、衣装家にも加わっていただきました。

9月に「表現したい障がいのあるアーティスト」と示したチラシ/ポスターを掲示し、10月のオーディションには18人の障がいのある人たちに応募いただき、12人の出演者を選考させていただきました。

11月中旬〜公演前日(全16回)まで毎週稽古場へ集まり練習を始めるのですが、障がいのある人たちは日常的にも受身になることが多く、彼ら彼女らが自己 表現する前に我々がサポートしてしまうところが多くあるため、いきなり練習ではなく、彼ら彼女らとの対話を重点的に行いました。

12月下旬まではダンスや芝居はほとんど行わず、家族の話や思い出話、昔のトラウマの話なども行いました。また、身体を動かすのはスタッフが提案しゲーム感覚でお互い楽しみながら「ここにいて良いんだ」と共有できる空間を一緒につくりました。

出演者同士/スタッフにもそれぞれの個性が浸みわたり、1月の練習からようやく即興でダンスや芝居を披露してもらい、「不自由だけど身体で表現したい」「言葉ではコミュニケーションが難しいけど身体で表現したい」「難病だけど生き続ける」という彼ら彼女らの欲求が表れました。

しかし、その表現をそのまま観せたとしても、いわゆる障がい者と健常者の二者間での価値の創造ができないと思いました。

例えば「障がいがあるのに・・・」という感覚だったり・・・。

彼ら彼女らと新たな価値を創造することが「Lifemap」の目的でもあり、兆しの過程に布石を打つという意味で、今回は「フラグ」と名付けました。

彼ら彼女らが表現する先にある宇宙をこのステージで表現したく、その後、演技/ダンスのアドバイスをはじめ、音楽、照明、衣装など、どのようなステージにしていくのかを出演者とプロジェクトメンバーとで議論してきました。

1月の中旬にある程度の構成が固まり、通し稽古を行い少しずつ手を加えます。変化を受け入れることが難しいと言われている出演者にもスタッフ側から変更をリクエストし、受け入れてくれるまで待つ時間をつくったり、そんな感じで一緒につくり上げてきました。

また、当初12人で行ってきた練習も途中で辞退した人(3人)もいます。表現の違いやタイトな練習時間など、それぞれの理由をスタッフも受け入れながら練習を進めてきました。

本番当日、公演前のゲネ(最後の全体リハーサル)でもいくつかの不安があったのですが、出演者はものの見事に表現してくれました。僕は舞台裏で泣きました。泣いたのは出演者の頑張りだけではなく、彼ら彼女らが観客へ自らの宇宙を観せてくれていることに感動しました。

前でも書きましたが「フラグ」は伏線を張るという意味であり、来年も新たな出演者を加え、引き続きパフォーミングアーツを発表します。また、その制作資金 をクラウドファンディング「READY FOR?」にて募らせていただいておりますので、みなさまからのご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
「READY FOR?」Lifemapスポンサー募集のページ → Click

最後に、ご来場いただいたみなさまをはじめ、開催にご協力いただいたみなさまへ心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。そして、来年の開催もぜひ楽しみにしててください。


樋口